photo from http://muslimwriters.org/2011/05/12/bin-ladens-actions-were-anti-muslim/
シリア内戦、アルカイダ系が反体制派の主要勢力に 英報告書
少し前ですが、CNNで上記記事が掲載されていました。シリア内戦の反政府組織がアルカイダ系イラクのアルカイダ系組織「イラク・イスラム国」の流れをくむとの事です。
偶然でしょうか?このタイミングでCIAがビンラディン殺害までに至ったストーリー映画『ゼロ・ダーク・サーティ』が公開されます。
ここから先は私の憶測の域を出ないのですが、上記2つの情報から推測するに、アメリカは本格的にシリアに軍事介入する可能性があるのかもしれません。
シリアに「アルカイダ」がいると報道が加熱。そして、ビンラディンの事を映画で国民に再度思い出せ、テロの恐怖を感じ、一気に世論が傾くというシナリオが想定できます。(ベトナム戦争の時の苦い経験もあるので、今回はアメリカ政府もPRに必死でしょう。)
今までシリアには石油などがなかったので攻めないと思っていたのですが目的は他にありそうです。多分、本当はイラクのオイルが目的かもしれません。
イランに介入する前に、シリアを落としておけば、イラクの軍事力を分散させる心配がないから、先にシリアに軍事介入をしたいのかもです。
■イランとシリアの位置関係
photo from http://www.asahi.com/
さて、上記の想定があたった場合、日本も全く関係ない話ではないです。湾岸戦争の際は、派兵こそしなかったものの130億ドルの軍事費を支払い、そして、小泉政権時はイラク戦争の際は集団的自衛権を行使し、イラクへ自衛隊を派遣しました。
今のところ、憲法9条の関係から集団的自衛権の行使は憲法違反かどうかは専門家でも意見の分かれている所ですが、現在の総理大臣である安倍晋三氏は先日、テレビ番組で「集団的自衛権は現状憲法でも行使できる」と言ってますので、今回も自衛隊が派遣される可能性は高いでしょう。
また、この流れから中国との尖閣諸島問題や北朝鮮への脅威などの世論も手伝い、一気に9条改正の動きが加速するかもしれません。まずは、憲法96条(憲法改正には国会議員の3分の2以上の賛成を必要とする。)を改正する動きがあるようです。
危機突破内閣・憲法96条改正に意欲…安倍総裁
憶測の域を超えないのは承知の上ですが、遠い国同士の争いに見えますが、日本にもリンクしているのだと感じます。
一応、私の立場を明確にしておくと、なるべく本ブログでは、中立的に書きたいと思うのですが、私自身は護憲派で戦争放棄賛成派のある種の、理想主義者の側面が強いです。
法学部出身ではありますが、憲法学者でもないので、9条について偉そうに語る事はできませんが、私の専門分野がアマルティア・センの『人間の安全保障』なので「人間が安全の暮らすための恐怖を取り除く」という視点を大事しております。
憲法9条について、再度考察する際におすすめの書籍は太田光さんの『憲法9条を世界遺産に』です。「お笑い芸人が何を語るのだ」と僕も最初思っていた(太田さんも書籍の中でそう言ってます。)のですが、私が大学2年生(2006年)の時にゼミの先生と飲んでいたら「この書籍は、初めて、9条を守るという行為を攻めの姿勢でとらえている」と言ってたので買って読んでみたら、確かにその通りで、憲法を守るを保守的にとらえるのではなく、むしろ、その事自体が攻めの姿勢だと感じれる書籍でした。(対談形式)
『憲法九条を世界遺産に』 (集英社新書)
日本と世界がとてつもないスピードで動く今、今ある物の意味を考え、そして何を大切に生きていくべきかを考えてみたいと感じさせてくれるニュース記事でした。

Shinsaku Enomoto

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