報告会でプレゼンターを務めるstart to [ ]共同代表の「大野佳祐」さん
こんにちは。
榎本晋作です。
3連休があけたばかりの2013年9月17日に
Twitterで偶然、知人が主催するイベントを見つけたので
仕事帰りにお邪魔してみました。
そのイベントは、僕も広報でお手伝いさせてもらっている
「チャリティマラソン大会パラカップ」のメンバーの方々が運営している団体
「start to [ ]」のイベントで
「バングラデシュの村に小学校を建てた報告会」を行うというものです。
■start to [ ]について
start to [ ]のサイトのスクリーンショット
まずは、start to [ ]について説明したいと思います。
(タイプミスではありません[ ]にも意味があります。)
start to [ ](以下、start to)は
「夢を持って挑戦できる子どもを1人でも増やしたい」という思いのもと
「途上国の学校に通えない子たちのために学校建設を支援」したり
経営者やアスリートのように、「これから何かに挑戦したい人のロールモデルになる人の講演」のようなイベント活動を行っている団体です。
[ ]の部分は、自分の目標や夢を書くスペースを意味しているそうです。
■バングラデシュの村Nanglaに小学校を建設
現地の映像について解説する共同代表の内山貴之さん
今回は、様々なイベントなどを通じて、集めた150万円の支援金を使い、この夏、バングラデシュのNanglaという村に小学校を建設した事についての報告会でした。
メンバーの大野佳祐さん(以下、佳祐さん)、内山貴之さん、関本華子さんを始めとするメンバーたちが、直接バングラデシュを訪れた時の様子、その学校について、学校に通う子どもたち、今度の支援方針などを聞かせてもらいました。
(ちなみに、皆さん、私が普段からパラカップでお世話になっている方です。)
start toメンバーに加え、3名のメンバーも同行し、中には初海外の高校生もいました。
その高校生が
「自分は英語が嫌いなのですが、勉強をできない子たちに触れて、ありがたみを知り、もっと勉強したいと思いました。」
「自分の名前を呼んでくれて感動しました。」
という、現地に行ったからこそ出てくるプレゼンをしてくれました。
やはり現地に行ったからこそ得る事のできる気づきを得て帰ってきているのだと感じます。
改めて、現場に行き、学ぶ事の大切さに気づかせてくれるプレゼンでした。
(私も見習います。)
■小学校や現地の様子について
現地の子どもたちの映像
今回、建設された学校について聞いてきた事を、バングラデシュの学校制度や村の様子なども含め紹介したいと思います。
【小学校について】
・元々Nanglaには、学校はあったのだが、1クラス分しか教室がなく1年生で終わってしまっていた。
・バングラデシュの学校は5年制である。
・なので、少ない教室数/教員数で5学年が学ぶには、午前午後2交代制の最低3クラスがあれば運営可能。
・今回はトイレなども含め教室を2つが入っている建物を建設
・現在1〜3年生、約105人が通っている
・次年度以降、1〜3年生は午前、4年生以上は午後という形態で5学年を目指す(総勢175人で村の人口の5%が小学校に通う事になる。)
・夜は「大人の識字教育」を実施(識字能力を大人にもつける活動)
・テストランでに「クリニック事業」も22ヶ月行っている。
(小学校が休みの日に、ドクターを呼んで、子どもや妊娠しているお母さん向けに診察を行う)
ざっと、まとめるとこんな感じです。
プレゼンの最初に、佳祐さんが「今まで字を書けなかった子どもが、名前を書けると自慢して、僕の手に書いてくるんですよ。」と喜んでいたのが、個人的にはすごく印象的でした。
また、学校で習った「前、習え!」などが、素早くできるようになっているのも感動的だと話してくれました。
子どもたちが、自分の本当の子どものようにかわいいと言っていたのが、佳祐さんのプロジェクトや団体にかける想いや感動を感じます。
【小学校の今後について】
村の現状や課題などを教えてくれる佳祐さん
「学校は建てれば終わりというわけではありません。一番大事なのは、どのようにして継続していける仕組みを作れるかです。」と北海道で出会ったウガンダでの活動経験がある方がおっしゃってました。
start toも、もちろん、この事については、しっかりと考えていて
下記のような方針で、今後の支援を行っていくそうです。
・こちらが、支援をやめると学校が経営が存続できなくなるので、当面は続ける
・ただし、自立こそ目指すべきものであり、外国人がいつまでも支援し続けるのはリスクが高いし、本来のあり方ではない
・今後は、自立運営のためを目指し、SEEDO(現地の団体)と協力していく
支援のゴールのあり方は「自立」と考えた時に、ゴールを具体的にどこに設定するかは重要な問題だと思います。
イスラム圏の考えとの調整の難しさなどもあるそうなのですが
そこまでどのように目標達成していくかを聞かせてもらえてもらえました。
理屈では、自立というのは当然の回答なのかもしれませんが、それを実現するのは、様々な苦難があるのだと感じます。
ぜひともがんばってほしいです。
【Nangla村について】
小学校の事もそうなのですが、村の状況なども気になったので、プレゼンが終わった後に、質問をさせてもらいました。
・村は農業がメイン産業
・作物は、地主が50%、自分たちが食べるのが25%、マーケットに売れるのが25%の割合
・不作のときは食べていけない
・父親が出稼ぎに出る事もある(食糧消費を減らすため)
・出稼ぎに行く交通費で稼いだお金がなくなる事も珍しくない
・子どもが家族の口を減らすためにお金持ちの家のお手伝いさんとして行くケースもある。
(ただし、イスラム圏では珍しくないそうです。)
・今年は寒波で、支援金額の一部で毛布を購入した。
佳祐さんが、出稼ぎの話をしてくれた時に「一番家族でいたい時期に一緒にいないのは、何か不毛さを感じる」とおっしゃってました。
今の日本で当たり前の事も、世界ではまだ当たり前ではないのだと改めて感じます。
そして、日本もかつて、そうだったという話を考えると、改めてどういう姿が理想かを検討していく必要かもしれません。
個人的な考えを言わせてもらえるのであれば、文化の事はあれど、今の小学生が、教育を受ける事により、家族一緒に暮らせる未来がくる事を願います。
■子どもたちは、パワフルだった
プロジェクトの同行メンバーの一人として行っていた女性が、プレゼンを行った時に
「今まで、開発や支援は、(現場には)悲しいイメージがあったのですが
今回、実際に行ってみたら、そういうのではなく、みんなすごくパワフルでした。
もちろん、実際には私が行ったのは、そういうパワフルな場所だったからだと思うのですが。」
という風に話してくれました。
話を聞いていて、支援先の子どもたちがすごく元気で、エネルギーをもらって帰ってきた様子が伝わってきました。
また、世界各国、子どもたちが生きるのに必死だという話もよく聞きます。
どのように表現し、また自分がどう関わっていくのが適切なのかは、僕もよく悩みますす。
ですが、このような活動を通して、1人でも多くの子どもたちが「当たり前に手に入れる幸せ(人権)」を得られるようになってほしいと願い、自分も微力ながら、協力しきたい改めて思いました。
start to[ ] 公式ホームページ
http://startto.info/

Shinsaku Enomoto

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